宇宙一顔が好きだった元推しについて

宇宙一顔が好きだった元推しについて書きたいと思います。
元推しくんは、とにかく顔が好きで、顔が好きで、芝居も好きで、性格も家柄も学歴も好きで、顔が好きで、推してた時は私も周りのおたく友達も彼が人生最後の推しだと思ってました。
私は彼のTOではなかったけど、たった2人しかいないおまいつの1人でした。2人?って思うかもしれないけど、本当にTOさんと私しかおまいつがいなかった。
元推しくんは子持ちの主婦のファンが多く、現場に足繁く通うガッツタイプのおたくが数えるくらいしかいなかったんですね。

元推しくんに対する私の推し方は自分で言うのもなんですが献身的という言葉がぴったりで、多分当時はマネージャーより彼のキャリアプランについて真剣に考えていたと思います。
出てほしい作品のオーディション情報は逐一伝えていたし(実際にそれがきっかけで出演が決まった作品もありました)、制作側に「このキャストにはここまでする熱心なファンがついている」とアピールできること(キャスト先行でチケットおさえる、祝い花を贈る、全公演アンケート出す、スタッフさんへの差し入れなど)はできるだけやりました。
もちろん公演中は本人にも毎日手紙を書き、良かったところ、納得がいかなかったところ、直してほしいところを正直に書いて、千秋楽までに改善された時の喜びはひとしおだったし、その変化を見逃したくない一心で全通してました。
もちろん全通はお金も体力もメンタルも削られるのでめちゃめちゃしんどかったけど、毎回現場が決まってから千秋楽までのルーティーンが楽しくて仕方なかった。元推しくんは初日にあれ?って思っても絶対途中で化ける瞬間があって、その瞬間に立ち会えた時にいつもリクープした!って思えるアウトプットをしてくれる人でした。
3時間のうち冒頭10分にしか出番のない作品を20回とか、脚本と演出がくそすぎて1mmも共感できない作品を12回とか、制作が無能で全然チケットが捌けなくてガラガラの劇場に10回とか、初日に残りのチケット枚数に絶望したことは何度もあったけど、千秋楽には多かれ少なかれ演じたキャラクターに愛着と名残惜しさを残してくれる、それが元推しくんの芝居でした。
これを書いている今も元推しくんにはなんの恨みもなくて、なんで今推してないんだろう?と自分でも不思議なくらい、今でもとても大切な存在です。

そんな、自他共に認める歴代最高の推しだと思ってたはずの彼を推せなくなってしまったきっかけは、カノバレでもクズバレでもなく、事務所と私の、彼に望む方向性の違いでした。なんてことはない、事務所との解釈違いというやつです。
そんなことで?と思うでしょう。でも、炎上のように本人の問題ではない分これほどしんどいものはありません。元推しくんの事務所、社長が変な占い師にでも洗脳されたんか?ってくらいここ数年迷走が止まらず…そろそろ本気で移籍を考えてほしいところ。

決定打となったのは事務所の先輩のバーターで出たとある映画作品だったのですが、これについてはもう品のある言葉ではどうしてもまとめられないくらい今でも胸糞の悪い作品なので詳細は伏せます。どれくらい胸糞悪かったかというとベクトルは違えど岡●作品かお●む案件くらいといえばおわかりいただけるでしょうか。
しかも元推しくん、なぜかその作品の監督に気に入られちゃったみたいで、どうやら次の作品にも出演するみたいです。絶望がすぎる。この世に神などいない。

お察しかと思いますが、ここまでずっと全力で走り続けてきたおたくの場合、心が折れた瞬間の反動といったらそりゃあもう早い早い。みるみるうちに心が遠退いていき、あんなに顔が好きで、寝起きや風呂上がりのぶすすぎる瞬間ですら愛せてた彼の顔を見ても、今はなんとも思わなくなってしまった。
今は普通にぶすな時はぶすだと思うし、面白くなくても笑えてたボケは容赦なく白けてしまう。現場が決まってもおさえるチケットはせいぜい1,2枚で、つまらないと思ったら潔く干せるようになりました。
おたくってこんなに変われるものなんだって、自分自身が一番びっくりしています。やってなかったことをするようになるプラスの変化はできてもやってたことをしないようにするマイナスの変化って、おたくにはなかなか難しいことじゃないですか?

でもネガティブなだけじゃなくて、ポジティブな理由も一つだけ挙げるとすれば、活躍の場が舞台から映像作品メインになったことで私が推さなくてもいいやって思えたってのもあります。クローズドになりがちな舞台より間口の広い映像のがファンはつきやすいし、本人も映画好きだから良かったねって気持ち。

ちなみに元推しくんに対して推すとは?って迷いが生じた頃に出会ったのが現推しさんでした。次はそんな、誰かを推してないと生きていけないくそおたくの人生を救ってくれた現推しさんについて書こうと思います。